事実
PANews(CoinDesk報道の整理)およびSiliconANGLEによると、製品名はGoogle Multi-Party Compute。秘密鍵の断片をGoogle Cloud、金融機関の自社ハード、他クラウドなどに分散し、例えば3者中2者の協力が必要な閾値署名を設定できる。署名前にGoogleのConfidential Space上で、送金額上限・宛先制限・複数部門承認などのルール適合を確認する。
Alphabet本体もイーサリアムおよびソラナ上の自社デジタル資産の保護に使い始めているという。商用開始時はECDSAとEd25519をサポートし、将来のポスト量子暗号へのアップグレード余地も示す。価格は未公表。FireblocksやBitGoなど既存の機関カストディ/ウォレット基盤との競合領域になる。
NADA NEWSは、銀行などが必要な機能を個別に組み立てる負担を減らす専用サービスになる点と、2027年初頭の提供開始予定を伝えている。
なぜ重要か
銀行・証券がトークン化資産やステーブルコインを扱う際のボトルネックは、チェーンそのものより鍵管理と承認ガバナンスだ。クラウド大手が「鍵の分割+ポリシー検査」をパッケージで出すことで、国内でも信託銀行・証券・カストディが外製MPCを選ぶ選択肢が増える。
日本の個人投資家への含意
個人向けウォレットの話ではない。日本の銀行・信託が円建てSCやトークン化証券を広げるとき、鍵を自前HSMだけで持つか、クラウドMPCを併用するかの設計争いに影響する。取引所利用者としては、APIキー管理や不審出金の監視など、従来の自衛策の重要さは変わらない。
注意
プレビュー段階で一般提供ではない。検証参加機関名の多くは非公開。MPCでも運用ミス・ソーシャルエンジニアリング・ポリシー設定ミスは残り、すべての盗難を防ぐわけではない。
中文出典
PANews(https://www.panewslab.com/zh/articles/01a18240-76f5-70d4-bb48-4495fc56f7cf)
一次情報
SiliconANGLE「Google to launch secure multi-party computing service for crypto wallets」(2026年10月28日)
NADA NEWS「Google、暗号資産の盗難を防ぐ新システムを開発──銀行向けに2027年初頭提供へ」
ご注意
本記事は中国語圏の報道を日本語で整理した情報提供であり、投資助言ではありません。数字や日付は各出典の公表時点のものです。暗号資産の取引は、金融庁・財務局に登録された暗号資産交換業者を通じ、ご自身の判断で行ってください。

